下痢用キャットフード
猫という動物は、本能的に痛みや辛さを表面に表さない性質があるので、体の不調に気付きにくいものです。 しかし、毎日うんちチェックをすることで、ある程度の体調の良し悪しの判断が出来ます。 猫のうんちがいつもと違う様子で、水っぽかったり、ほぼ液体状をしている時は要注意です。
このように猫が下痢をするのは、体の不調を訴える大切なSOSのサインで、その原因は今与えているキャットフードかもしれません。 キャットフードの成分が、猫の体に合っていないせいで下痢をすることがあります。
しかし、キャットフードは猫の命を繋ぐもので必要不可欠な物ですから、与えないわけにはいきません。 そんな時は、思い切って今与えているものを、別のキャットフードに変えることで改善が見込めます。
では、どんなキャットフードを与えるのが良いのでしょう。 キャットフードが原因で、猫が下痢をする理由と適切な対応、そして下痢を治め予防出来るキャットフードの選び方をご説明します。
下痢をする理由と症状
うんちは少し緩いが、元気もあるし食欲もある時などは、キャットフードが原因で下痢をしている可能性が高いです。 では、どんなキャットフードが下痢を引き起こすのでしょうか。
脂肪分の多いキャットフードを食べた時
キャットフードがうまくこなれず、形がそのまま残っているようなうんちの場合は、食あたりや消化不良を起こしています。
世の中に出回るキャットフードの中には、驚くほど脂肪分が高いものがあります。 脂質はエネルギー源となる栄養素で、便のすべりを良くするので便秘に効果があります。ですが、摂りすぎてしまうと逆に下痢の原因になってしまうことがあります。
また、原材料に○○ミールや、○○類と書かれているものは、生死を問わない様々な肉の寄せ集めで、正肉以外の肉が使われ、内臓、皮、爪、羽、角なども含まれています。 このように質の悪い原料が使われると、悪質な脂肪分が過剰に含まれたキャットフードが生まれます。結果、カロリー量の調整を脂質で補うことになり、猫の体に悪影響を及ぼします。
猫は本来肉食ですから、キャットフードの主な原材料として好ましいのは良質なたんぱく質です。 原材料には、チキンやターキーなど、肉の種類が明確に書かれているものを選んでください。
キャットフードに含まれる添加物に対し、アレルギーを起こしている時
多くのキャットフードには、保存期間を長くしたり、見た目を美味しそうに見せるためだけに、防腐剤や酸化防止剤、香料、着色料などの添加物がたくさん使われています。 これらの化学物質に対し、人間と同じように猫もアレルギーを起こすのです。
アレルギーを起こすと、免疫が低下したり、内臓が弱ったりして下痢をします。 原材料に、エトキシキンやBHA、BHTといった添加物が表示されているキャットフードを与えている場合は特に注意が必要です。
エトキシキンは、酸化防止剤として使われる化学物質ですが、人の食用や農薬としても使用が禁じられている物質です。 また、BHAには発ガン性があり、BHTには催奇形性の疑いもあるほど、危険な添加物です。
水分をたくさん含んだキャットフードを食べた時
水分の取り過ぎでも下痢をします。 猫は水分摂取が苦手な動物ですから、ウェットフードで足りない水分を補わせている方も多いと思います。
しかし、自分で水を飲めている猫に、セミドライフードやウェットフードを与えると猫が自分で摂取した適量以上の水分を摂らせることになります。
そうして、体が冷えたり、おしっこだけでは余計な水分を排出できずに下痢をします。 このような原因で下痢をしている時には、ドライフードを与えてください。
猫が下痢をした時のキャットフード
人間の食用には認可されていないものは、猫にとっても非常に危険だと言えます。 良質なキャットフードには、添加物や悪質な肉や魚などの素材、余計な脂肪分などは含まれておりません。
- 原材料には、○○ミールや、○○類ではなく、チキンやターキーなどと肉の種類がきちんと書かれていること。
- 酸化防止剤などの保存料には、ハーブ由来の天然のものが使われていること。
これらに注意して、無添加のキャットフードを選ぶようにしましょう。 また、いつもと同じキャットフードを与えているのに急に下痢をすることもあります。 猫の体力低下や高齢化によって、突然アレルギーを発症することもあるのです。 今までと同じキャットフードだから大丈夫、と安心せず、見直しをするいい機会にしてください。
また、下痢が治まったからといって、元のキャットフードに戻すとまた下痢を繰り返すことになります。 下痢が治って元気になった後も、引き続き安全で無添加のキャットフードを与えることによって予防に繋がります。
まとめ
猫が下痢をしたら、言葉を話せない大切な家族からのサインだと気付いてあげて下さい。気付いてあげられるのは飼い主だけです。 イギリスやアメリカ、ドイツ、カナダなどのペット先進国では、キャットフードに人間と同等の食品安全基準を定める、ヒューマングレードなどを用いています。
それに比べ、日本は、キャットフードの安全基準が格段に低いという事実があるので、十分な知識が必要です。 食い付きが良いということだけでキャットフードを選ぶと、栄養が偏ったり不足したりすることも出てきます。
またそれだけでなく、多くの食い付きの良いキャットフードには、過剰な香料や、脂肪分が使用されている可能性があります。 安全で質の良いキャットフードは、新鮮な肉や魚が使われており、化学合成された悪質な香料など使わずとも素材の匂いが猫を引きつけます。 安全なキャットフードと、定期的な健診で、猫はいつも健康でいられるのです。